獨協医科大学整形外科関節班は、手外科領域以外のすべての四肢関節の診療を担当しています。なかでも、変形性関節症に対する人工関節手術を多数手がけており、人工股関節全置換術(以下THA)、人工膝関節全置換術(TKA)に加え、人工膝単顆置換術も施行しております。人工関節手術の低侵襲化を目的に、THAではDirect Anterior Approach、TKAではMIS approachを積極的に取り入れ、筋をほとんど切らない方法で手術を行っています。これにより多くの症例が2週間以内での退院が可能となっています。骨欠損が多い症例に対しては自家骨移植のほかに、冷凍ボーンバンクを利用した同種保存骨を使用することもできます。また、肩関節疾患の手術症例が多いのも当科の特徴です。腱板断裂修復術や人工肩関節置換術も行っております。リウマチセンターとの連携では膠原病内科医とのコラボレーションにより、リウマチに対する薬物療法と手術治療が効果的に組み合わせた包括的診療を行うことができます。具体的には人工股・膝関節置換術のほか、人工肘関節置換術も行っております。
股関節疾患として股関節唇損傷に対する関節鏡下股関節唇縫合術や、変形性股関節症の臼蓋形成不全で関節軟骨が残存している場合、寛骨臼回転骨切り術をしております。
膝疾患としては前記の述べたTKAのほかに自家培養軟骨を用いた膝軟骨の治療も行っております。足部の疾患に対しても疾患の状態や要望に極力応じた整形外科治療を積極的に行っています。スポーツ班とも協力体制で診療を行っています。